押絵の香箱 三十六歌仙揃い/明治時代
四季の花尽し/作品制作 南尚代傘飾り
1号館・春の企画展

ちりめん細工とびん細工
雛人形(制作/藤本正子)      びん細工/明治時代

会期  2008年2月23日(土)→6月24日(火)

 当館では長年にわたり、日本女性の伝統手芸のひとつである「ちりめん細工」と「びん細工」の資料収集に取り組んできました。今回はその代表的なコレクションをご覧頂きます。

                         展示風景
展示風景
 ちりめん細工は江戸時代後半からの歴史を持ち、着物の材料として愛好されてきた縮緬(ちりめん)の残り布を利用して、花、動物、人形などの小袋や小箱、招福や魔除けの袋物などが作られてきました。作り手は御殿女中や裕福な家庭の女性であり、明治時代は女学校の教材としても取り上げられました。小さな残り布を大切にする心、美的感覚、手先の器用さを身につける手芸として、教養のひとつとして伝承されてきたのです。しかし昭和になると、戦争による世の中の混乱や生活様式の変化の中で何時しか忘れられた存在になりました。
 当館は、ちりめん細工が伝える世界の素晴らしさに気付き、約30年前から資料の収集を計ると共にその素晴らしさを知っていただくための展示会や技術伝承のための講習会を20年前から開催してきました。約10年前から、福岡県柳川の「さげもん」や静岡県伊豆・稲取の「つるし飾り」など、雛段の側にちりめん細工を飾る風習が蘇えり、大きな関心を呼び起こして、両地方だけでなく全国的にも広がりを見せています。そのような状況も後押しとなって、和の手芸「ちりめん細工」は、再び女性の心を捉えてブームといわれる状況になっています。

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 ちりめん細工の復興に取り組んできた当館では、1992年以来、ちりめん細工の指南書でもある本をマコー社、NHK出版、雄鶏社、日本ヴォーグ社などから出版してきました。昨年4月には『四季の傘飾りと雛飾り』を出版し大きな反響がありました。このたびの展示会では、新しく収蔵した古作のちりめん細工をはじめ、『四季の傘飾りと雛飾り』に発表した作品の数々と「びん細工」をあわせ総数500点を展示いたします。
 日本の女性が作り出した伝統手芸の素晴らしさを再認識していただくための場ともなれば幸いです。

■展示総数  約500点

■展示概要

<ちりめん細工>
●『四季の傘飾りと雛飾り』………長年、ちりめん細工の振興に取り組んできた当館では、傘が「末広がり」で目出度く、また傘の略字が「八十」に見えることから長寿の祝いに使われてきたことに注目、和傘にちりめん細工をつるした独自の飾りを「傘飾り」と名付け、ちりめん細工講師の皆さんと共に雛の季節だけでなく四季折々に楽しい傘飾りを考え、日本ヴォーグ社から『四季の傘飾りと雛飾り』として出版しました。


展示風景

●ちりめん細工で綴る日本の四季………ちりめん細工の世界では花鳥風月や四季の風物を織り込んだ作品が目立ちます。春夏秋冬の季節感溢れた作品を紹介いたします。


ちりめん細工の四季・春

   
ちりめん細工の四季・初夏                         ちりめん細工の四季・秋


ちりめん細工の四季・冬

 
●ちりめん細工の古作品………当館は江戸末期から明治・大正期に作られた膨大な数量の作品群を所蔵しています。新収蔵品を中心にして数々のちりめん細工の素晴らしさをご覧頂きます。

   

   

<びん細工>
 びん細工は、口の狭いガラス瓶の中に、手まりや糸巻き、花、人形などのお細工物が入れられているものです。誰もが、大きな作品を狭い口からどのようにして入れたか不思議に思われます。
 びん細工は江戸時代の文政4年(1821)に長崎で作られたという作品が伝承されていますが、びん細工が広く作られるようになるのは、ガラス瓶が広まった明治時代のことだと考えられ、明治後半には手芸の一分野としてびん細工が流行したようです。当館も約30年前から折に触れて、びん細工を収集してきましたがそれが60点を超えました。
  その多くは普段、収蔵庫にしまっておりますが、今回久しぶりに、ちりめん細工とあわせて公開いたします。

   



        

ちりめん細工の伝承と普及に取り組む
日本玩具博物館の公式サイト