玩具や人形を通して平成を振り返る企画展

平成おもちゃ文化史

●会期  2019年3月2日(土) → 11月12日(火)

●会場  日本玩具博物館1号館 

昭和50〜60年代(1975〜1988) 平成10年代
 1989年、バブル真っただ中に、華やかにはじまった平成は、グローバル化が進み、技術革新によってライフスタイルが大きく変化した時代です。子どもたちが手にする玩具は、遊びの道具でありながら、その造形、技術やテーマにも文化のあり様が反映され、時代の精神が表現されているので、わたしたちは玩具を通して時代を振り返ることができます。

 玩具の平成時代は、テレビゲーム、携帯ゲーム、スマートフォンゲーム…とゲーム機器の発展が玩具界に大きな変革をもたらし、さまざまな玩具が電子化の影響を受けます。また、マンガ、アニメの人気に加え、ゲームやテレビCMに登場するキャラクター玩具も数多く誕生しました。
近年はインターネットを中心とした多様なメディアが次々と登場し、ゲーム・玩具の世界とメディアの世界が手を組んで新たな玩具を生み出したり、個人が玩具の紹介や遊び方を発信するような現状も生まれています。さらに、平成時代には、玩具が子どもだけのものではなくなり、若者や働く世代の癒しや趣味のアイテムとして楽しまれるようになりました。
 一方、大量生産される商品玩具が社会を席巻し、瞬く間に大量消費されることやバーチャルな世界が幼い子どもの遊びへ流れこんでいくことに危惧をもち、玩具デザイナーや玩具工房が子どもにとってのより良いおもちゃの姿を追求し、受け継がれてきた手作りおもちゃを伝承していく活動が盛んに行われたのも平成時代の特徴です。 
エコロジー思想の広まりによって、素材や動力にも地球環境への配慮が求められ、部品交換をしながら長く使える玩具製作が目指される傾向も定着します。
 
 本展では、昭和後期から平成時代を彩った商品玩具を年代ごとに展示し、過ぎていった30年の流行玩具を移り代わりを追います。また、子どもたちを夢中にさせる玩具の要素を取り上げ、世代を超えて楽しまれてきた玩具についても紹介します。 
玩具の視点から平成時代を振り返り、未来に伝えたい玩具や遊びの姿について考える機会となれば幸いです。
昭和50〜60年代
「宇宙戦艦ヤマト」「機動戦士ガンダム」「キン肉マン」「アラレちゃん」などのテレビアニメが人気を博し、それらのキャラクター玩具が人気を呼びます。昭和56年に「ゲーム&ウォッチ」、昭和57年に「ファミリーコンピューター」が登場すると、子どもの世界にテレビと電子ゲームが定着します。マンガ・アニメ・ゲームの影響で、外遊びをする子どもが激減、社会問題としても取り上げられ始めます。また、昭和50年代後半から、ファンシー雑貨や文房具と融合した玩具が注目されるようになり、「なめ猫」「キン肉マン消しゴム」など、子どもたちの小遣いで買うことができる駄菓子屋玩具の再ブームが起こります。昭和60年代は、ゲームソフト「ドラゴンクエスト」、「シルバニアファミリー」、「ジェニー」など、平成を通して人気を博す玩具やゲームソフトが多数登場します。
平成初期
平成元年に「ゲームボーイ」が登場すると、各メーカーが次々とゲーム機を発表し、家庭ゲーム機が一気に普及します。平成9年には、携帯型育成ゲーム「たまごっち」が、子ども、女子高生、OLを中心に大人も巻き込む社会的な大ブームとなりました。このブームに牽引され、平成初期はアクセサリー感覚でどこにでも持ち運ぶことができる携帯型ゲーム機や玩具が人気を博します。また、テレビの影響が続く中で、テレビアニメの放映数、マンガ雑誌の発行部数も拡大し、登場するキャラクターの本格的ななりきり玩具やアイテムの人気も高まります。
ゲーム・テレビ文化が浸透するなか、平成5年、地球環境を考える京都会議を契機に、素材や動力など、自然への配慮を意識した、エコロジー玩具も登場します。
昭和50〜60年代 四代目リカちゃんファミリー(平成初期) 平成初期
平成10年代
平成10年代前半、テレビアニメ、マンガ、テレビCM、映画、ゲームのキャラクター玩具の人気は不動のものとなります。玩具の電子技術も高度化し、バーチャルペット「ファービー」やロボット玩具「AIBO」など、電池を使って複雑な動きや音を出したり、あるいは、センサーの動きで反応させて遊ぶ人形やぬいぐるみが登場します。また、「ポケモンカード」のヒットをうけて、平成10年代後半から、「遊戯王カード」、「甲虫王者ムシキン グ」、「オシャレ魔女ラブandベリー」など、トレーディングカードゲームが大流行します。
一方、玩具デザイナーや玩具工房が中心となり、シンプルな木製玩具が数多く作られます。また、現代的なしかけを楽しむ木製玩具も登場し、注目を受けます。
平成20年代
平成20年代前半は、本格的な料理を親子や孫と一緒に楽しむ「のりまきまっきー」や「こねパン」などクッキングトイが数多く登場します。
平成10年代から人気が続く「ポケットモンスター」や、平成25年「妖怪ウォッチ」のブームにより、玩具メーカーがマンガやアニメ、映画、ゲームとタイアップしながら戦略的に玩具開発を行うようになります。さらに近年は、ネット動画やSNSなど、子どもたちが触れるメディアが多様化し、そこで取り上げられる玩具や遊びが、突発的なブームを巻き起こす現象もおきています。
また、平成20年代は各地で多くの自然災害を経験し、復興の中、アナログゲームやペーパークラフト、ダンボール玩具など室内で楽しむことができる玩具が再注目されはじめます。
 平成10年代  平成10年代 平成20年代 平成20年代
生き続ける伝承玩具
けん玉やベーゴマ、メンコ、お面など、古くは江戸時代や明治時代から親しまれてきた玩具があります。時代に合わせて、変化しつつも生き続けてきた、まさにおもちゃ界のレジェンドと言える伝承玩具の変遷をたどります。
平成の駄菓子屋文化

ガチャガチャやお菓子についたカードやシール、好きなキャラクターのファンシー文具やアイドルのプロマイド、いつの時代も子どもたちが駄菓子屋に求めるものは大きく変わらないのではないでしょうか。
おまけの数々 メンコの数々