1号館・春の企画展
 

ちりめん細工の美
〜江戸から明治の古作品を中心に〜





2006年3月4日(土)〜6月27日(火)

 ちりめんは細やかな「しぼ」をもつ絹織物で、300年ほど前の江戸時代から現代に至るまで、日本の着物の材料として愛好されてきました。そのちりめんの残り布を利用して作られた細工物を「ちりめん細工」と呼んでいます。
■ 江戸時代の後半、御殿女中や武家や商家など裕福な家庭の女性達によって、美しく小さな袋物や小箱が生まれました。ちりめん細工は小さな布裂も大切にする心、美的感覚、手先の器用さを身につける手芸で、日本女性の教養の一つでもありました。明治時代に入ると、ちりめん細工は女学生の教材として取り上げられ、女学生達は伝承に基づきながら、細工物の意匠を競い合いました。花や動物の袋物は香入れや琴爪入れとして、玩具や人形の袋物は子どもの御守りとして使用されたようです。
 こうして江戸時代から明治、大正、昭和と作り伝えられてきたちりめん細工ですが、戦争による世の中の混乱や生活様式の変化の中で、いつしか忘れられた存在になりました。ちりめん細工が伝える手芸世界の素晴らしさに気付いた日本玩具博物館では、30年前より古作品や文献資料の収集を行い、また展示会や講習会を開催して復興と普及に努めてきました。
 近年、「和」の細工物が女性たちの人気を呼び、「ちりめん細工」は再び、私たちの暮らしの中に息づき始めています。本展では、当館が30年以上にわたって収集してきた江戸から明治時代の古作品を中心に、約350点のちりめん細工をご紹介いたします。伝承されてきた細工物の歴史をたどり、作品の一つ一つに込められた意味や、造形的な工夫・知恵について、今一度、ふりかえってみたいと思います。





江戸文化の薫を残すお細工物

       
      迷子札(明治時代)                       きりばめ細工の袋物(幕末〜明治時代)

    
       鳥の袋物(明治時代)                  魔除けと招福のちりめん細工(明治〜大正時代)
 


 『ちりめん細工』
     展示解説会のお知らせ
    
   
 代表的な作品を取り上げながらちりめん細工の性格についてお話いたします。下記の日時、1号館展示会場へお集まり下さい。
 解説は、当館学芸員・尾崎織女が行います。


●日時…………4月16日(日)・30日(日)
           5月14日(日)・28日(日)
              ※各回 14時〜40分程度。