日本玩具博物館*冬の特別展

おもちゃの馬

会期 2013年11月9日(土) →2014年 2月11日(火)
会場 日本玩具博物館1号館
土人形・春駒持ち
(青森県弘前)
ちゃぐちゃぐ馬
(岩手県盛岡)


平成26(2014)年の干支の動物は午(=馬)。今回は、馬の玩具や馬を表わす造形など約350点を一堂に集めて展示致します。
張子の馬
左:久の浜張子(福島県、昭和初期)
中央:大阪張子(大阪府、昭和初期)
右:高松張子(香川県、昭和初期)

十二支の動物で時刻や方角、あるいは年月を表わす考え方は、古代に中国から伝わったものですが、長い歴史を経
て日本人の暮らしに深く根を下ろし、庶民の間でも非常に親しまれてきました。これらの動物の中では、造形物として人気のあるものとそうでないものがあります。「巳(=蛇)」や「未(=羊)」などは古くからあまり好んで作られませんが、「丑(=牛)」や「戌(=犬)」、「申(=猿)」などには多彩な造形が残されています。
わけても「午(=馬)」は、軍事、運輸、農業他、あらゆる産業における人との深いつながりを反映して、最も多く作られる動物といってよいでしょう。
愛馬の守りとして作られ始めた東北地方の木馬、神や霊魂の乗り物として節句行事や祭礼に作られた藁馬、祭礼における愛馬の晴れ姿をうつしとった飾り馬の玩具、乗馬を真似た子どもの遊びに使われた春駒、明治時代の風俗を表わす馬車をかたどった玩具や馬に乗る軍人を表わした土人形など、日本の郷土玩具の中には、かつての日本人がいかに馬を大切にし、愛してきたかを証立てる作品が数多く残されています。
本展では、当館の郷土玩具コレクションの中からそうした馬の玩具の性格に焦点をあてて、種類ごとに展観します。あわせて世界約30ヶ国の馬の玩具を展示し、世界の人々がとらえたユニークな馬の造形を紹介致します。

展示総数…………約350点
展示概要

日本の馬………江戸時代終わり頃から日本各地で作られ始めた木や土、藁や紙など馬の玩具の数々を下記のグルーピングで展示します。展示数約200点。

@木の馬〜神馬・愛馬の守り〜………八幡馬、木ノ下駒、三春駒など、日本を代表する木の馬は揃って東北地方にあります。昔から馬産地として人間と馬の関わりが密接であったためでしょう。こうした木の馬は、馬市で手放した馬の形見として、また愛馬を災厄や病気から護るお守りとして刻まれ始めたといいます。

 
木の馬(東北地方)

A土の馬・紙の馬〜神馬・神の乗り物〜………古くから白馬は神の乗り物として大切にされ、神社の祭礼には賑やかに飾りたてた馬が奉納されました。京都府伏見の飾り馬をはじめ、神馬をテーマに作られた土や紙の馬の造形を紹介します。




B藁の馬〜節句や祭礼のつくりもの〜……… 正月や盆の行事、あるいは端午や七夕の節句には、藁や真菰などで作られた馬が登場します。訪れる農耕神の乗り物と考えられたためでしょうか。男児の健康と出世を祈る八朔馬(福岡県芦屋)や養蚕祈願に奉納される桐原の藁馬(長野県)、縁結びの縁起と結びついた忍び駒(岩手県花巻)などは有名です。





C人と馬〜馬とともに生きた人々〜………馬の頑健さや賢明さから、人々は軍事、運輸、農業等に馬を用いてきました。馬に乗った武者や軍人への憧れから生まれた玩具、子どもが健康に育つよう願いを込めた馬乗り童子の人形、農作や運搬に用いた馬を表わした玩具など、人とのつながりの深さを表現した造形の色々を展示します。 



D首馬・春駒・馬車〜子どもの玩具〜………馬が乗った台に車をつけて転がすもの、馬の首にまたがって騎馬ごっこをした春駒や首馬など、古くから子どもたちが遊んできた馬の玩具の色々を紹介します。


 
小絵馬………絵馬とは願い事の成就のために仏寺や神社へ奉納する板絵のことで、馬に限らず、願い事につながる象徴的な画題が選ばれます。その昔、神の乗り物である生きた白馬を奉納していたのが簡略化され、石や土の馬形や板絵を奉納するようになったとされています。小絵馬は、庶民が愛用した小型の絵馬です。大正から昭和初期にかけての小絵馬約30点をご紹介します。
世界の馬………世界の動物玩具の中で最も多いのが馬です。神の使い、神の乗り物、精力的な生き物、初夏を象徴するもの、軍事力をあらわすもの、あるいは文明の表現として、有史以来、世界中の人々が馬形を造形し、馬の玩具もまた盛んに作られてきました。
木、土、植物、石、骨、皮革、紙、布など様々な材料で作られた馬の玩具約100点を地域ごとに展示します。

@ヨーロッパ・アフリカ
Aアジア・オセアニア
Bアメリカ