館長室から〜夏休み面白おもちゃ作り教室掲載文抜粋〜

NO3
 恒例の夏休みおもちゃ教室から  (2005年8月26日 井上重義)

 長い夏休みも、残り数日です。館の前の駐車場には赤とんぼが飛び交い、秋の訪れを告げています。今年の夏休みも大勢の子どもたちで賑わいました。6号館前の休憩所に置いている感想ノートには、来館者が思い思いに感じたことを書き残しています。

 「あー楽しかった。おもしろかった。懐かしかった。」「知らないおもちゃや、外国のおもちゃなどがたくさんあって、とても楽しかった。持って帰って飾りたいものがたくさん。外国の絵本もおもしろかったです。何年か後に、また友達と来たい。」「2歳4ヶ月の孫を初めて連れてきました。大人4人も大変おもしろく楽しい時間を過ごせました。孫がとても喜んでくれ、嬉しく思いました。また来ます。」 来館者の喜びの声に、元気を貰います。

 恒例の夏休みおもちゃ作り教室も、鯉の滝登り、木挽き人形、剣術人形、かくれ屏風など、江戸時代のおもちゃ作りを中心に行ないましたが、どれもキャンセル待ちができるほどの盛況でした。2時間程度で作れますが、子どもたちは「昔の人は賢い、すごい。」と目を輝かせていました。いつの時代でも子どもたちが喜んで作って遊ぶ、そんなおもちゃを教え続けたいと考えています。

 昨25日は大阪で開催された「おもちゃの学校」で、おもちゃの話や手づくりおもちゃの指導をしました。東京から来られていた小学校教師から「『身のまわりの材料を使った伝承手づくりおもちゃ』(井上重義著書・草土文化・1991年刊)を愛読しています。特にストローロケットは子どもたちにも大人気で流行していますよ。」と、嬉しい言葉をいただきました。同書は来月に13刷が出版されます。大勢の子どもたちがモノを作る喜びを体験してくれることを心から願っています。


 9月10日から始まる『アフリカのおもちゃと造形』も初めての企画展です。これもまた当館の30年近い収集の成果の発表展でもありますが、楽しい、面白い、意外性あふれた展示会になると思います。ご期待下さい。 

■夏休み面白おもちゃ作り教室■
         (2006)


NO23 
手づくりの楽しさを子どもたちに      
〜夏休み面白おもちゃ教室始まる〜                 (2007年7月27日 井上 重義)


 子どもたちにとって楽しい夏休みがやってきました。緑に囲まれた当館は蝉の鳴き声に包まれ、一歩、館内に入れば、子どもたちの楽しい歓声が聞こえます。

牛乳パックの船 今年も恒例の「夏休み面白おもちゃ教室」が始まりました。当館では毎年、夏休み期間中、1号館と6号館で開催の企画展・特別展に関連したおもちゃ作り教室を開催していますが、今年も世界の「船展」と「人形展」に因んだおもちゃ作り教室が始まり、本日は、その第1回目の「牛乳パックで作る船」教室。それぞれに素晴らしい船が完成。子どもたちは目を輝かせて大喜びでした。帰宅後、船を浮かべて遊ぶ姿が目に浮かびます。
 牛乳パックを縦に半分に切って船体を作り、それに割り箸を固定して、水車を輪ゴムで留めて、ゴム動力で水上をスイスイ走る船です。ゴム動力で水車を回転させて走る玩具の木の船は古くからヨーロッパやアメリカにもあり、同じ原理ですが、違いは材料です。牛乳パック、割り箸、竹串、折り紙、輪ゴムと、身近な材料で作るところがミソです。問題は強度です。すぐ壊れるようなものではいけないからです。牛乳パックに割り箸を固定する方法も課題でしたが、ホッチキスで留めることで解決しました。割り箸を持って振り回しても牛乳パックは外れません。

 私は鍛冶屋の息子に生まれ、子どもの頃はよく手伝いました。そんな影響からか、モノ作りが大好きです。博物館設立後、子どもを取り巻く環境が変化し、テレビで宣伝して売る玩具が大流行する中で、おもちゃは買ったもので遊ぶ時代になり、作ったもので遊ぶことが失われているのに気付きました。作る場所もなく、身近に鋸も金槌も小刀などの道具も、竹や木などの材料もありません。それならと講座風景考えたのが、今の身の周りにある道具と材料を使った伝承玩具作りです。牛乳パック、トイレットペーパーの芯、ストロー、割り箸、厚紙、凧糸、輪ゴムを材料に、玩具についての知識を生かして江戸時代の玩具などの作り方を考えました。道具もハサミ、カッターナイフ、ホッチキス、キリなどで充分です。江戸時代から伝わる、吹き矢、木挽き人形、鯉の滝登り、ご来迎、剣術人形、かくれ屏風、風車などを作りました。強度もそれなりにあり、作ったもので遊べて子供たちも大喜びです。そんなおもちゃの作り方を考えたのは実は20年以上も昔。1991年には身のまわりの材料で作る『伝承手づくりおもちゃ』(草土文化)を出版、身近な材料で子どもの喜ぶおもちゃが作れることを大勢の皆様に知っていただきました。その本の掲載作品をベースに改良、新しく考案して、作品の数も増えました。おもちゃ教室ではそれらを中心に教えています。

 各地の博物館では現在、ものづくり教室などの体験活動が盛んですが、当館のように江戸時代の玩具を数多く教えているところは全国でも例がないと思います。江戸のおもちゃを作った子どもたちは、「昔の人は賢い」「すごい」と感動します。楽しかったと毎年参加してくれる子どもが多いのです。今年も申し込み不要の「江戸のからくり玩具かくれ屏風」(7月29日、8月5日・19日)教室を除き、どの講座も満席ですが、その半数は昨年参加した子どもたちです。基本を教えた後は、子どもたちの個性が輝く作品が仕上がるよう指導していますが、子どもたちの感性の豊かさにしばしば感動させられます。今年も思い出の詰まった楽しい作品の数々が誕生するでしょう。
 おもちゃ教室の様子をこれからも何度か紹介したいと考えています。

作品を持って、参加者の記念撮影