| 今月のおもちゃ・花便り | 2010年2月1日 | ||
| NEW 2009年12月31日 「館長室から」及び「学芸室から」更新 | |||
| 〔今月のおもちゃ2月〕 | |||
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明治時代後半から昭和時代初めの雛飾りの中には、狆(ちん)という名の小さな犬を連れた官女姿の人形がよく見られます。「狆ひき官女」は、「三人官女」とは異なり、五段、七段、十三段…と賑やかに広げられた段飾り雛一式に置かれる添え人形。嫁入り前に購入して、雛飾りと一緒に婚家へ持参されたりもしました。 狆は、江戸時代、五代将軍・徳川綱吉の時代(1680〜1709)、江戸城内で「お座敷犬」として飼育されはじめ、上流階級だけでなく、遊郭などでも愛玩された小型犬です。明治時代になっても、家の中で飼う犬といえば狆が代表種であり、非常に身近な存在であったため、人形・玩具の世界で犬を表現するものといえば、耳の立った大和犬と並んで、狆が多くの題材に取り上げられてきました。 おっとりとして愛らしいこの官女は、花々の縫い取りが美しい振袖をまとった未婚の女性ですが、口元をのぞくと、鉄漿(お歯黒)をほどこしていますから、どうやら、結婚相手が決まっているようです。婚家へ持参する雛飾り一式に、この添え人形が好まれたのは、嫁いだ娘がめでたく赤ちゃんを授かり、無事、安産を果たせますように…という親たちの願いが込められたのでしょう。添え飾りとはいえ、犬を安産の守りと考える日本古来の信仰や、雛人形(雛飾り)は女性の幸せな一生を見守ってくれるものという人々の熱い思いが伝わる興味深い人形です。 この人形は、現在開催中の『雛まつり〜江戸から昭和のお雛さま〜』の中でご紹介しています。製作者は、京都を代表する雛人形師(着付師=プロデューサー)のひとり、大木平蔵で、大正時代のもの。 京阪神に住まわれていた明治32年生まれの女性が、嫁入りの折に持参したものと伝わっています。 |
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